「ワイドショーを見ました。それから、雑誌のほうも」


高遠さんは無言だった。

アタシはブランコをこぎながら、高遠さんと近づいたり離れたりしていた。



「アタシは芸能界を知らないから、高遠さんが話したことしかわかりません。高遠さんが何について怒っているのか正確にわかっていないのかもしれません。だから代表の橘さんはアタシをここに来させたのかもしれませんよ」


「知らない人間になら愚痴を言えるってこと」


投げやりな高遠さんの声も近づいたり離れたりする。