「なに心配いらないさ。この程度で裕也に潰れてもらっては困るからね。蓮見、一杯付き合いなさい」



ぴくりとマネージャーの眉が上がる。

「業務中なので、遠慮いたします」


「今日は裕也を送らなくていい」



さっさっと手招きして座るように呼ぶと、渋りながらマネージャーが席につく。

「勝次さん、グラスを」

店長へと手を振り、グラスをひとつ出してもらう。言うそばからグラスが現れるのは既に用意されていたからにほかならない。