「帰りましょうかー。アタシ、お礼に美味しい鯛焼きをご馳走します!」


「鯛焼き?なんか庶民だね」


ははっと尾上さんが笑った。



「あんことか、クリームとか選べるんですけど、ハムやチーズの入った甘くないのもあるんですよ」

「それって鯛焼きの形じゃないといけないの?お好み焼きでもいいんじゃないの」



尾上さんは、さっぱりした顔をしていた。気持ちを言葉にしたことで心が軽くなったのかもしれない。



「お好み焼きはお好み焼きです卵と豚バラは外せません。だったら、大判焼きでも同じようなものがあるよって言われたんですけど、鯛焼きはあの形で、しっぽがカリカリなのがいいんです」