冗談みたい、だった。



ほんとの本気だとしても、冗談みたいに言ってくれた。

気づかない訳はなかった。

自分に自信がないとか、自意識過剰だとか、そんなの有り得ない、とかそんな言葉でごまかしてしまえる言葉ではなかった。


たとえ冗談みたいだって、その言葉は頑張って絞り出した言葉に違いなかった。

それにアタシが気づいたのは、高遠さんを好きになったからだ。高遠さんを知りたいと思うようになって、アタシはいろんなものが見えるようになった。