「あ、あのね辻井君、あのアメすごく美味しかったよっ」

「あぁ〜、あれね。
気に入ってくれてよかった」

「うんっ!ほんとにありがとうっ」

そう言って再び笑みを見せると

はる君がじっとこっちを見ているのに気づく。

あ、そういえばはる君に言ってなかったっけ…

「あのね、前に辻井君とここで会って、
そのときにアメもらったのっ」

「……へえ」

はる君はそう言うとなぜか辻井君を睨む。

辻井君ははっはっは…と笑うと

はる君の肩をぽんぽんと叩いた。

「じゃあ行きますか〜」

「……ああ。じゃあな、結乃」

「う、うんっ」

私がそう返事をすると、

辻井君はバイバイ〜、と手を振って去っていった。

私も手を振り返し、

自分の学校に向かって少し早足で歩いた。