「おっはよ〜!」

そう返事をして教室に入ると、

いつものように親友の永田咲(ながたさき)が顔を上げてこっちを見た。

「おはよう結乃」

「おはよ〜!」

そう言って咲ちゃんの前の席に着くと、クラスメートが私たちをじっと見る。

「王子…今日もステキ♡」

「姫もほんと可愛いわ♡」

そんな会話が聞こえてきて咲ちゃんをじぃっと見る。

「…咲ちゃんってほんとかっこいいね」

「なっ、結乃までどうしたの?
あんたこそ姫のくせに。
っていうか別にかっこよくなんて…」

『咲様はかっこいいですっ!』

「…そりゃどうもね」

咲ちゃんはそう言ってため息をつき、

私の方を見る。

「…で?結乃は今日も"はる君"に起こしてもらって一緒に登校してきたの?」

「うんっ!さっきも編み込み見せたら褒めてくれたのっ!」

「へぇ〜…」

咲ちゃんはそう言うと頬杖をつく。