つかつかと廊下を歩いていると、

不意に出会い頭にぶつかった男に

口笛を吹かれながら腕を掴まれる。

「ヒュー…。
あいっかわらずきれーな顔してんなぁ、女みてぇ。最近暇してんだよねー」

そう言ってニヤニヤするそいつに

即座に回し蹴りを食らわす。

「……ゲスが」

…ほんっとくだらない。

そのまま倒れたそいつを蹴っていると、

不意に後ろから会話が聞こえる。

「ま、マジでするんすか!?」

「ああ?なにびびってんだよ、
あいつそれしか弱点ねぇし、徹底的にやんぞ」

…この声…3年の黒瀬?

「え、ええ〜、でも…」

「怖気付いてんじゃねーよ!
ったく、女か、てめぇは」

「で、でも、風宮ってその女のためにトップ張ってるって聞いたことが…」

「だからだろーが。
つか、3年の俺らがなんで1年にびびらなきゃなんねーんだっての」