なのに僕のことを許したのかなんなのか、

あの子の恋愛において僕を頼ってきているという…

…一言で言うと天然なあの子。

なのにどうしてだろう、最近…というより、

あの子にひどいことをしようとしたときから

あの子のことが頭から離れない。

朔君、と呼びながら向ける笑顔に。

さらりと揺れる髪に。

そしてその一方で…

…はる君、と呼んで涙を流すその姿に。

ぐっと眉を寄せて椅子から立ち上がり、

機嫌を損ねたかとおろおろする連中を無視して教室を出る。

……バカバカしい。

この僕があんな子に振り回されるなんて…