朔side

「高代さーん!このあとのことなんすけど…」

たまり場である空き教室。

声をかけるやつらに耳を貸す余裕なく、

頬杖をついて窓の外を眺める僕、高代朔。

考えているのは…

はぁ…とため息をついて携帯をチラリと見やる。

…なんでか、あの子のこと。

昨日の真夜中2時に

泣きながら電話をかけてきた、迷惑も甚だしい彼女。

あとあの子のことを説明するなら、

一度は騙して落とそうとして、

失敗した挙句ひどいことをしてしまった相手。