…なんでこんな風になるかはわかってる。

こんなこと何回も経験した。

結乃が他の男に微笑みかけてるから。

結乃が他の男に触れられてるから。

でもそれよりも、今回は…

結乃が、他の男といて

心から楽しそうな表情をしてるから。

そのきらきらした表情が

俺といるときよりも眩しく見えて…

そう思うと胸が痛くて、

どうしようもなく苦しい。

ぐっと拳を握りしめると、

篠加がそれに気づいて声をかける。

「風宮君がいくら邪魔者排除したって、
結乃ちゃんが誰かに興味示したらそっちいっちゃうんだよ」

そして追い打ちをかけるように…

「…風宮君は結乃ちゃんの"幼なじみ"なんだから」

その言葉に、

俺の心臓の音がひときわ大きく軋んだ気がした。