長い授業も終わり、放課後になった。

ルークはまだ眠そうな顔で、ぼーっと板書された黒板を見つめている。

「ルーク!!大丈夫か?」
クリアが、笑いながらルークの背中をバンバン叩いている。
クリアはショートヘアが可愛い明るい子だ。
いつもテンションが高く、周りの雰囲気を盛り上げている。

「ルーク、帰らないでよ?
課題残ってるの忘れてないよね?」

ショウが冷たく言い放つ。
ショウはおそらく、中学2年生、いや、この学園で1番冷静でクールな奴だ。

「え?え?あっああ!!うん!
当たり前だよ、忘れるわけないじゃん」

慌てて言うルーク。

ショウはため息をついて、
「全く、本当は忘れてたくせに」
と呟いた。
「ショウはルークに厳しいねぇ〜!
あれ、ところでレアラは?」
クリアが首を傾げる。

「あー、レアラの奴なら、どうせ図書館にでも行って下調べでもしてるんじゃないか?」
能天気なルークの声。

「レアラも偉いな。お前とは違って」
「そうですねどうせ俺はただの役立たずですねー!!」
「いや、ルークの場合は有り余る体力があるじゃん。役立たずではないって!」

クリアがまたルークの背中をバシッと叩いた。

「おっ、遅れてごめん!!
図書館でちょっといろいろあって...」
遅れてやってきたのはレアラ。
見た目からほわほわした、小動物の様な子だ。
クリアとは正反対に、気が弱く、あまり自分の意見を主張したがらない。
でも気の利く性格で、今もこうやって図書館で課題のために本を借りてきていた。