咲「妖怪と人間は、本来関わる事の無い種族だ。打ち解けあう事など、不可能だ。」


 じゃあ…………じゃあ私が過ごした、新選組の皆との日々は、嘘だって言うの!?


 
 そもそも、ホントに打ち解けあっていたのかな。



 不安に刈られてしまいそうになる。



 ダメだよ。信じるって、決めたでしょ。



 
美「………人の心は………!!!法なんかで簡単に縛れるほど、軽いものじゃない!!」



咲「私達が〈ヒト〉だというのか。」



 人なんかじゃない。


 化物だ。



 それは散々言われてきた。



 分かってる。



 でも………



美「姿形は違っても、心は皆同じです。」




 落ち着いて美咲菜様に言う。




 すると、美咲菜様がふっ、と表情を和らげた。






咲「お前は強いな。本来なら、私にこんな口を聞いた時点で死刑なのだが…………」




 それを聞いて背筋がぞわりとした。



 そうだよ。




 この方は、一代目当主なんだから……



 なんて、失礼な態度とっちゃったんだろう。




 無礼にもほどがある。



美「申し訳ありま「でも。」え?」




 私の謝罪は美咲菜様の言葉に遮られた。



咲「私はお前が気に入った。」




 美咲菜様は、聞いたことないような、嬉しそうな声で言う。



 こんな口を聞いたのに?



咲「お前に刑を言い渡す。



 人間を殺し続ける罰は無くす。



 ………………人間が、好きなのだろ?」





美「はい!」




 なんだ。



 優しい人じゃないか。