少し歩くと、大きな広間が見えた。



 そこには、台に乗った人と手足を縛られた傷だらけの少女。


 狂ったように笑顔で何かを言っている男達。




 その光景は異様だった。


東「あの少女はね、狐だよ。」



 ?!



 狐?



 本当だ。微かに妖気を感じる。



 まだ、小さい娘なのに、体は傷だらけで、所々に痣、血が滲んでいる。



 酷い…………



東「此処は、人間に化けている妖怪をとっ捕まえて、労働力として売るんだよ。」


 
 売るって…………



 
東「妖怪は生命力、寿命、体力は人間に勝るからね。」



 
 だからってこんなにも小さい娘を、売るなんて…………




東「お前は高く売れるぞ。何たって猫継家だからな。相当強いはずだ。」



 私も、ああなるの?




 また、人間に暴力を、振るわれるの?




美「嫌だっ」




 私は逃げようとした。



 だが、どこから出てきたのか、東御の仲間に押さえつけられる。




ガンッ




 抵抗しようとしたら、頭を強く殴られた。



 私の意識は此処で途絶えた。