美「ハァッ………ハァッ………」



 見られた。


 総司と平助に。


 私の本当の姿を。


 
美「ハァッ……ハァッ……………」



 私はひたすら走り続けていた。



 無我夢中で。


 
 胸に押し寄せる感情。


 もう、私を受け入れてくれないだろう。



 みんなで、口を揃えて言うんだ。



 化け物!


 って。



 なんで、なんで、なんで!


 人間なんて、人間なんて、って、ずっと思ってたのに…………



 哀しくて、たまらない…………!!!!



 私は木の下に腰を下ろした。



 
 彼等は私を拒絶するだろう。


 信用して、もらえないだろう。


 なんで隠してたんだって。


 気持ち悪い、人間じゃない。



 そんなの、とっくにわかってた事。



 ………なのに、あいつ等に信用されなくなると。


 今までの思い出が無かったことにされると思うと。




 涙が、止まらない…………!!



 これも、罰だ。私への、報復だ。


 
 わかってるよ………わかってるのに!!



美「なんで…………」



 私の疑問は闇に吸い込まれ、答えてくれる者などいない。



 その寂しさに耐えられなくなり、膝に顔を埋める。



 自分の葛藤と戦って、人間と暮らして、また自分で苦しんでる。



 何やってんだろ…………私。




 私はそこで意識を手放した。