『鈴さんへ


 今まで、ありがとう御座いました。


 鈴さんからもらった沢山の思い出は、大切な宝物です。



 初めて此処に来た時。


 お座敷に入るのが怖くて、何回も失敗しました。



 着物の着付け、京言葉に舞や三味線も。



 そのたびに、優しく教えてくれた鈴さんのお陰で、今の私がいる。



 でも、鈴さん、怒ったときは怖かったな。



 何回も喧嘩して、叱られて。



 今思うと、それが暖かく感じます。



 突然居なくなってごめんなさい。



 やっぱり、私は此処に居ないほうが良いと思う。



 お願い、探さないでください。



 もう、決断したことだから。



 新しくやり直します。



 見守っていてくださいね?



 鈴さんのこと、一生忘れません。


 また、会える日まで。




        猫継美夜』