という事があり、こういう時に使えるような、皆でお揃いの手拭い欲しいなって思った。





 それに、私がここに居たっていう証拠を残したいから。



 ………自己満足なのはわかってるつもり。






 少しでも、少しでも私がここで過ごした爪痕を残したい。




 幹部のそれぞれに合った花言葉の花を、刺繍でぬうことにした。



 梅の花、桔梗、矢車草、方椿、かすみ草、金木犀。




 

 今、皆は巡察や仕事やらで忙しい。



 いつも私の部屋には誰かしら訪れるけれど、今日なら誰も来ないはず。




 日が暮れるまでには終わらせようっと。





 花を頭の中に浮かべながら、ひと針ひと針丁寧に。





 





美「っ!!」



 親指に少し痛みを感じた。



 どうやら針が刺さってしまったみたい。




 ぷっくりと血が出てくる。




 …………………前なんかこんな傷、血が出る前に治ったのに。



 小さな傷でさえも、治癒が進まなくなってきている。




 やっぱり弱くなってきてる。





 残り少ない、この命。



 無駄にしちゃいけない。



 皆を守るためなら、私はどんな怪我だってこの体で受け止めるから。