平「美夜。行こうぜ。準備はできてるか。」



 『うん。直ぐに行けるよ。』




 私はいつもの袴に大小を刺して外へ出ようとする。



平「え?!袴で行くの?!」



 私の格好に驚く平助。




 よく見ると、普通の男性が着るような浴衣だ。



 
 『そっか。お祭りだもんね。私も浴衣に着替えるよ。』



平「女物な!」



 分かってるって、というふうに頷く。



 平助は部屋の前で待っててくれてるから、早く着替えないと。




 押入れから随分着てなかった浴衣を引っ張りだし、着る。





 着替え終わり、部屋から出る。




 ついでに髪も結っていおいた。




 まだ肩までしかないけど、今までと違う感じにしたかったから。




 平助の肩を叩く。




 『出来たよ。行こう?』





平「?!美夜!?……その、す、すげー…………にあってる、よ………」





 ?




 もっとハッキリ喋ってよ!




 モゴモゴ言っててわかんないじゃん。



 


 もう戌の刻。





 もう街は灯りに包まれているだろう。





 私は平助に手を惹かれ、歩き出した。