「柳瀬さんっ、真面目な話なんですっ!聞いてくださいよっ!」 今度の頬の赤さは怒りかららしい。 忙しいやつだ。 私は仕方なく撫でていた手を離して、きちんと薫に向き合った。 「どうした……?」 「コレを見てくださいっ!脅迫状ですっ!」 …………。 彼の手には、クソ汚い字で「伊藤薫様へ」と書かれた封筒だった。