「っ!?」
顔を赤くさせて、驚いたように立ち上がった角谷は、突然自己紹介を始めた。
「オレ、角た」
「キミのことなんてどうでもいいんだけど。」
そう言うと、私は鋭く角谷を睨みつけた。
「へ!?」
「キミさぁ、私の薫を脅したよね?」
相当怖かったのか、彼はヤンキーなのに顔を真っ青にさせる。
私の顔は、教室の隅の角谷にしか見えないし、声だって聞こえない。
それをいいことに、私は彼の耳元で呟いた。
「お前がーーーだって言っちゃうよ?」
「すいませんしたぁーーー!!!」
後にこれは、ヤンキーを負かしたことで私のちょっとした武勇伝となる。