1人になって考えるのは、先ほど考えたこと。

ここに戻ってくれば、お父さんとお母さんとやり直すためのいいきっかけになることは間違いない。

今よりもきっともっと家族になれる。

だけど頭から離れないのは、悠の笑顔と数え切れないほどの優しさ。

あの幸せな日々が終わってしまうのは嫌だと心が叫ぶ。

お父さんとお母さんとの生活と、悠との生活を天秤にかけたとき。

私の心が傾いてしまうのは、悠の方なんだ。

それなら答えは決まっているはずなのに、どうしても踏み切れないのは、これから先もずっと悠と暮らせるいう保証はどこにもないからだ。

改めて悠との生活を振り返ってみると、そもそも私の情緒不安定が同棲生活の発端だった。

お母さんとのわだかまりも解消されて、夜も眠れるようになった今、果たしていつまでこの生活を続けてくれるのだろうか。

それにお互いの両親に挨拶もせずに内緒で続けていけるわけがないこともわかっていた。

そろそろちゃんとしなきゃいけない。

帰ったら悠と一度きちんと話そうと決心した。