笑顔の裏側に

用紙は床を滑って棚の方にある。

だけど痛すぎて立ち上がれない。

服がこすれるだけでも痛い。

今日はいつもよりも激しかった。

きっとお母さんも精神的にきつかったのだろう。

何とかリビングまでたどり着いたが、階段はまだ登れそうにない。

とりあえずもう痛すぎて動けない。

そのままずっと横たわっていると、お母さんが戻ってきた。

「ちょっと何やってのよ。邪魔よ。早く自分の部屋に戻って勉強しなさい。」

これだけ殴っといてまた勉強?

体中が痛いのに。

どうして??

そんなに私が嫌い??

「優美、聞いてんの?」

痛すぎて返事をするのも億劫だ。

「はい…。」

絞り出すように声を出したが、お母さんには届かなかったらしい。

また殴られる。

今日はこれで2回目だ。

こんなに殴られたことは今までなかったな。

そして胸ぐらを掴まれる。

「あんたが…あんたが…」

死ねば良かった。

きっとそう言われる。

だけど聞こえくる声は鋭く低い声だった。