笑顔の裏側に

「たぶん、親も一緒じゃないとダメだと思う。」

そう言うと、深くため息をついて自分の部屋に行ってしまった。

慌ててあと追いかけると、

「ほんと、面倒臭いわね。何で私が行かなきゃいけないのさ。あんたみたいなのの面談なんてどうせ大したことないでしょ?私を巻き込まないで欲しいわ。」

「ごめんなさい…」

「そうやって謝ってばかり。イライラするわ。」

じゃあ、私はどうすればいい?

私が決めたことじゃないし、どうすることもできない。

「今度は黙るのね。ほんと、腹が立つ。」

そう言ってこっちに向かってきて、私を殴る。

私はずっと静かに耐えるしかなかった。

胸ぐらを掴まれて、

「あんたが死ねば良かったのよ!!」

とも言われた。

それですぐに分かった。

患者さんが亡くなったと。

ずっと帰りが遅かったのも、帰った後、すぐに家を出て行くのも。

そして今日はいつもより帰りが早いのも。

全て辻褄が合う。

そのまま私は殴り続けられ、気が済んだのか用紙を投げ捨てて、

「この2日だけ。あんたなんかのために2日も用意したんだから、それでどうにかして来てちょうだい。」

そう吐き捨てて部屋を出て行った。