笑顔の裏側に

いつも通り家事を淡々とこなし、用紙を探しにお母さんの部屋に入る。

すると机の上に用紙があった。

私が渡した時のままの白紙だった。

やっぱり忙しいんだな。

仕方ないよね。

そう自分に言い聞かせて、自分の部屋で勉強を始めた。

勉強している時は何も考えずにすむ。

成績のことも、将来のことも。

そしてお母さんのことも…。

勉強を始めて少しすると、お母さんが帰ってきた。

私は急いで出迎えに行く。

「お母さん、お帰りなさい。あの三者面談の…」

「優美、こんなところで何やってんの?早く勉強しなさい。出迎えはいらないっていつも言ってるでしょ?」

そう突き放される。

でも今日はちゃんと言わないと。

ただでさえ疑われているのに、用紙を出さなかったら、もっと疑われる。

「ごめんなさい。でも三者面談の用紙を出さないといけなくて…」

「三者面談?ああ、そんなのあったわね。あれ絶対行かないとダメなの?あんただけでいいじゃない。」

そんなに行きたくないんだ。

私のことなんてどうでもいいんだもんね。