笑顔の裏側に

そして次の日、もう今日から勤務だ。

1時間ほど説明と書類記入が終わると、シフトの相談をする。

家庭教師は午前中のことが多いので、その日は午後から。

他の日は朝から夕方までの勤務にしてもらった。

とりあえず悠が帰って来ないであろう2週間弱はそれでお願いした。

そこから先は悠のバイトとの相談になるだろう。

昨日の電話でも入れ過ぎるなと釘を刺されていた。

その後、具体的な仕事を教わりながら、仕事をしていく。

棚の組み立てや掃除など、場の設定が中心だった。

その合間に商品管理を少しずつ進めていく。

思ったよりも重労働で大変だったけど、その分時間が過ぎるのは早く、あっという間に初めての勤務が終わった。

そうして私のバイト生活は幕を開けた。

慣れない長時間労働で疲れはたまり、家に帰って寝るだけの生活を送っていた。

悠からの電話までには全てを終わらせて寝るだけの状態していた。

ベットの中で、悠の声を聞きながら、心地よくなってそのまま寝落ちてしまうことも何度かあった。

それでも怒ることはせずに、毎日毎日電話をしてくれている。

そのおかげもあり、夜は一応眠ることができていた。

そんな生活が続き、バイト先の人と仲良くなってきた頃、いよいよ商品を並べていく。

ハンガーに衣類をかけたり、綺麗に畳んで棚に入れたり、アクセサリーを壁にかけたり。

作業を進めていくごとにどんどんお店の完成度が増していく。

お店に来た時と帰る時とで大きく違って見えるのが一番の楽しみだった。