笑顔の裏側に

悠のお茶がなくなったので、冷蔵庫からペットボトルを持ってこようと立ち上がる。

しかし立ちくらみがして、思わずテーブルに手を付いてしまった。

悠に肩を支えられ、座るように促される。

「ごめん。ちょっと疲れただけだから。」

すぐに額に手を当てられた。

「熱はなさそうだけど、顔色悪いな。食欲もないんだろ?さっきから全然進んでない。」

抱き上げられてソファーに寝かせられる。

「後の片付けは俺がやっておくから、お前は少し休めよ。」

お言葉に甘えて、目を閉じた。

次に起きたのは体全体に振動を感じたからだった。

悠の顔が目の前にあって慌てて飛び起きる。

頰に当てた手を見れば、濡れていた。

「随分魘されてたから、起こしたんだけど‥。」

「そっか。ありがとう。でも何でもないから大丈夫。」

涙で濡れた頰を手のひらで軽く拭う。

そして悠の視線から逃れるように、立ち上がって、キッチンに行った。

悠に背を向けるようにして、コップにお茶を注いで、少し口に含む。

それだけで少し気分が落ち着くようだった。

「優美。こっちを向け。」

その言葉にも応じなかった。

そのままシンクにコップを置く。

きっと今私は酷い顔をしているだろう。

そんな顔見られたくなかった。

無理やり腕を引っ張られて、悠の方を向かされる。

それでも顔だけは上げなかった。

痺れを切らしたように、またしても抱き上げられて、ソファーに連れて行かれた。

声を上げても、無視される。