「私のことをこんなにも大切に思ってくれる悠の気持ちに応えたいって思った。悠のことを好きになりたいって本気で思ってる。だから‥もしもまだ‥あの時と同じ気持ちでいてくれてるのなら‥私と付き合ってください。」

頭を下げれば、涙が地面に弾けた。

すると肩を掴まれて、いきなりキスされた。

驚いて固まってしまう。

「当たり前だろ。好きだ、優美。」

そのままきつく抱きしめられる。

まるでもう離さないとでもいうように。

「ありがとう。俺のところに戻ってきてくれて。」

微かに震える肩からやっぱり不安にさせていたのだと感じた。

「ごめんね。今までたくさん辛い想いさせて。」

「いいんだ、もう。こうして優美がいてくれればもう何でもいい。」

そしてゆっくりと離されて、今度は優しいキスが降ってきた。

涙で少ししょっぱかったけど、心は満たされ、幸せな味がした。

そして二人で手を繋いで学校を出た。

幼馴染から恋人という今までとは違う関係になり、手を繋ぐだけで緊張する。

チラッと横を見れば、優しく微笑んだ悠と目が合って。

それだけで胸の高鳴りを加速させた。

あっという間に家に着いて、門の前で立ち止まる。

手を離すのが名残惜しくて、2人して離そうとしない。

「じゃあ、また明日な。」

頰にキスされる。

私の力が緩んだ隙に手を離されて、頭を撫でられた。

そして門のドアを開けてくれて、背中を押された。

されるがままに門の中に入ってしまい、門も閉められる。

「悠。また明日ね。」

そう言って微笑めば、悠も微笑んで、私が家に入るのを見届けてくれた。