笑顔の裏側に

そうして私は昼食を軽く取った。

そして次は体育だからと、痛み止め代わりの頭痛薬を飲む。

しかしその判断が仇になるとはこの時は思わなかった。

着替えて校庭に出る。

きっと今日もマラソンだろう。

正直辛いが、見学するわけにはいかない。

色々と聞かれるのは困る。

そして何より見学するには見学証がいる。

それには親と担任の印、又は養護教諭と担任の印がいる。

先生に心配かけたくないし、さっきのこともあって顔を合わせづらい。

とりあえずゆっくり走れば大丈夫だろう。

そして授業が始まり出欠を取ってまず準備体操をする。

その途中から少しやばいなとは思っていた。

しかしそのまま軽いジョギングに入った。

案の定、気分がどんどん悪くなり、いつもより心拍が上がるのが速い。

「優美、顔色やばいぞ。もうやめたほうがいいんじゃないか?」

悠が数周差をつけて隣に並んだ。

「大丈夫‥。」

一言返すのが限界で、ますますペースは落ちていく。

どんどん周りに抜かされていく中、悠はずっと私の隣についてくれていた。

終了の笛が鳴り、思わず座り込んでしまう。

「優美!」

悠がしゃがんだのが気配でわかった。

背中に手を当ててくれるけど、とても立ち上がれそうにない。

気分が悪い。視界が回る。

「だから無理するなっていたのに。」

そのまま抱き上げられた。

その瞬間、周りが騒つくのを感じた。

「先生、麻生さん、具合悪そうなんで保健室に連れて行きます。」

「お、おう。頼むな。」

そしてそのまま昇降口に来る。