笑顔の裏側に

「もういいよ。言わなくて‥。」

悠の腕が私の背中に回った。

それを機に、私は再び口を開いた。

「もう忘れて‥。もう自分を許してあげて。私はこれで良かったと思ってる。悠を巻き込まずに済ん

「俺は良くない!もっと俺を巻き込めよ!俺は‥お前が傷ついてるの知ってたのに‥。今だって何もできない自分が一番許せないんだ!」

悠が声を荒げて泣き叫ぶように言う。

抱きしめる腕に力が入った。

心なしか肩も震えている気がする。

泣いているのだと思った。

それはきっと私のせいで流すこととなってしまった涙だ。

「じゃあ、私が許すから。これまで何も言わずにずっとそばにいてくれて、私は十分支えられてた。本当に感謝してる。それなのに、悠の苦しみに気づいてあげられなくてごめんね。」

「でも俺は‥」

「私はこの状況をどうにかしてほしいとは思ってないの。だから私のためにも、もう自分を許してあげてほしい。悠のそんな辛そうな顔は見たくない。そうさせているのが私なら、尚更辛い。」

そう言えば、悠はもう何も言わなかった。

しばらくすると、

「分かった。」

その言葉を聞いて、ホッと胸をなでおろす。

腕から解放されて、目を合わせられる。

「その代わり、何かあったら絶対に俺に言うこと。次にまた‥今日のようなことがあったら‥必ず毎回俺に言うんだよ。」

最後の方は小さい子供に言い聞かせるような感じだった。

「まあ、言わなくても、俺が絶対に気づいてやるからいいけど。」

その言葉を聞いて、ずっと私の嘘に騙され続けてくれたのだと確信する。

ずっと心配をかけていたのだと反省した。

「ありがとうね、悠。」

小さくお礼を言えば、照れたように目を逸らせた。