笑顔の裏側に

慌てて靴を脱ぐと、バランスを崩して床に倒れそうになる。

思わず目を瞑ったけど、柔らかい何かに包まれた。

痛みはやって来ず、目を開ければ、悠に抱きとめられていた。

「大丈夫か?」

「うん、ごめんね。」

すぐに離される。

悠に支えてもらって、何とかバランスを立て直し、壁に手をついた。

「私の部屋で待ってて。飲み物取ってくるから。」

そう告げてゆっくりとリビングに向かう。

「いいよ、気を遣わなくて。」

「いいから。」

そう言って背を向けると、いきなり体が宙に浮いた。

「ちょっと悠!下ろして!自分で歩けるから。」

「何言ってんだよ。まともに歩けないほど辛いんだろ?」

その言葉に動きを止める。

そっか。悠は私が体調悪いと思ってるんだ。

それならそれで好都合かもしれない。

そういえば玄関でもそんなようなこと言ってたな。

リビングのドアを開けると、悠の動きが止まった。

悠の視線を辿れば、散らかったリビングが視界に広がる。

「あ、えっと‥これは違うの!ちょっとね、色々あって‥」

上手い言い訳が思いつかない。

ごちゃごちゃ言っている私をソファーへ優しく寝かした。

「ごめん。」

「へ?」

いきなり謝られ、拍子抜けしてしまう。

しかし悠の動きを見て、なんで謝ったのかがわかった。