笑顔の裏側に

片付けも終わって、スクバを持って部屋に戻ろうとした時、インターフォンがなった。

画面で確認すれば、悠だった。

今は会いたくない。

瞬時にそう思う。

こんな泣き顔で、こんな姿で会えるわけない。

どんな顔して、どんな風に振る舞えばいいかわからない。

居留守を使おう。

2階に上がろうと階段を昇り始めた時、スクバが壁にぶつかってしまった。

その直後インターフォンが押されて、

「優美、いるんだろ?俺だよ俺。」

そんな声が外から聞こえた。

出ざるを得なくなり、返事をして、階段を降りる。

俯きがちにドアを開けた。

「よお、体調は‥」

私の異変に気付いてか、悠の言葉が止まった。

そのまま顎を掴まれ、上を向かされる。

「お前、何かあったのか?」

返事はしなかった。

悠はドアノブを掴んで、無理矢理中に入り込んでくる。

ドアが閉まり、二人して玄関に立ち尽くす。

「そんなに泣き腫らして、瀬立先生と何かあったのか?」

その言葉に思わず顔を上げた。

「なんで‥」

どうして知ってるの?

いつから気づかれていた?

「ずっと前から気づいてたよ。あ、誰にも言わないから安心しろよ。」

その言葉に黙って頷く。

知られていたなら仕方がない。

まあ、悠なら大丈夫だろう。

「それで先生と何かあったのかよ?」

首を横に降る。

「とりあえず上がっていい?」

そう言われてここが玄関だったことに気づく。