笑顔の裏側に

リビングを出ると荷物が視界に入ったけど、後で片付けることにして、端に寄せておく。

そして1段ずつゆっくりと階段を上がり、部屋に入った。

引き出しから冷えピタや湿布、クローゼットからコルセットを出して、治療を始めた。

服がなるべく肌に触れないように気をつけながら脱ぐ。

赤く痛々しい痣が至る所にあり、なるべく見たくなくて、手早く貼っていく。

そして固定するようにコルセットも巻いた。

本当は整形外科にでも行って、レントゲンを撮ってもらって、治療しないといけないけれど、それは許されない。

こんな痣だらけの体を見せれば、一発でワケありだと思われる。

聞かれても答えようがないし、通報でもされたら、それでこそ私の人生は終わりだ。

ほぼ全身が冷えピタと湿布にまみれた。

冬だからすごく寒いけど、仕方ない。

そして消毒薬を含ませたガーゼで、唇の端を優しく叩くように消毒する。

ピリピリとした痛みが走るが、我慢してガーゼを変えてもう一度消毒する。

最後に少し強めの頭痛薬を飲んだ。

痛み止めや鎮痛剤が欲しいけど、頭痛薬で代用するしかない。

時間が経てば、少しはマシになるだろう。

そしてベットに横になった。

何もする気が起きない。

勉強はもちろんのこと、荷物の片付けしないといけないのに。

それでも動こうという気力もなかった。