笑顔の裏側に

そんな想いを抱えたまま、ついに私が帰らなければならない日がきてしまった。

先生のことは心配だし、昨日の今日で離れたくない気持ちがより強まってしまったけれど、今日ばかりはもう帰らないといけない。

明日からは学校が始まる。

制服は家にあるし、何より今日帰ることを書き残してきた。

帰った後のことを考えると、ますます気が重くなるけどこればかりは自分で招いた種だ。

たとえどんな闘いが待ち受けていようとも、先生の家に来たことを後悔だけはしないと胸を張って言えると思う。

だって先生と初めてぶつかって、こんなにもお互いの気持ちを確かめ合うことができた。

そのことだけが今の私の心の支えだった。

いつも通り朝と昼は一緒にご飯を食べて過ごした。

午前中に帰る準備は済ました。

そして昼の片付けをして、夕食の準備に取り掛かる。

今日の夕食は野菜のコンソメスープと鯖の味噌煮の予定。

鯖の味噌煮は昨日、下ごしらえをしておいたので、よく味がしみてると思う。

野菜スープは生姜が効いているから体は温まると思う。

私が帰った後もちゃんと食べてくれればいいんだけど。

そんな心配が過る。

それと同時に夜は眠れるだろうか、1人で大丈夫かなと次々に心配が重なっていく。

これ以上は私にはどうしようもないと分かっていても、止めることはできなかった。

全ての準備と片付けが終わり、私が帰る時間がやってきてしまった。