笑顔の裏側に

「多分うちの生徒がいる。お前の2個下‥。」

そっと影から覗けば、遠くの方に、3人の女の子たちが見える。

「俺は完全にアウトだし、お前だって下手したら顔を知られてる可能性もある。」

それなら可能性ではなくて絶対的に私もまずい。

高2の時は生徒会長だったから、私の顔と名前はほとんどの生徒が一致していることだろう。

2個下ということは、高入生でない限りその時期バッチリ、生徒として学校に在籍している。

「とりあえず急いでここを出ましょう。」

冷凍うどんを引っ掴み、少々乱暴にカゴに放り投げる。

しかしさあレジへと、カートを押そうとした手を止められた。

「花屋が併設されてるだろ?お前はそこに隠れてろ。」

「え‥」

言葉の意味は分かっても、真意がわからず、戸惑ってしまう。

「この状況で一番やばいのは、俺たちが2人でいることだ。俺は家が近いからここにいても不自然じゃない。あいつらの動向を見ながら、隙を見て花屋に迎えに行くからそれまで待ってて。」

その言葉に黙って頷いた。

それを機に、通路を挟んで、あの子たちとは反対方向に向かう。