「あんたとの関係を疑われたって‥それで‥」

「はあ?誰にだよ?」

愛ねえの言葉も最後まで聞かずに、立ち上がって身を乗り出すように尋ねる。
落ち着いてなんていられなかった。

そんなこと、俺は全然知らなかった。

こんなに重大なことをあいつ1人に抱えさせていたなんて。

「ちょっと、落ち着きなさい。最後まで私の話を聞いて。」

そう言われて椅子に座り直した。

それを合図に愛ねえが話を続ける。

「詳しくは教えてくれなかったけど、とりあえず上手く誤魔化したみたい。でもあんたの様子を見て、今は離れられないって。だから万が一の時は、あんたの彼女役をお願いしますって頼まれたの。こんなこと頼めるのは私しかいないし、あんたにはこれ以上負担を増やしたくないからここだけの秘密にしてほしいって言われたのよ。」

何だよそれ‥。

また俺は知らないところで、あいつに守られていたのかよ。

「それ、いつの話?」

「え?先週だけど‥」

先週‥。

俺が一番やばかった時期だ。

「先週のいつ?」

「えーと、いつだったかな‥」

斜め上を見上げながら、愛ねえは思い出そうとしているようだった。