あまりの衝撃に思わずバランスをくずし、床に倒れた。

そのまま胸ぐらを掴まれる。

「医者の子供が自分の体調管理もままならないなんて。恥ずかしくて仕方ないわ。あんたは!そんなに私に恥かかせたいわけ?」

「ごめんなさい…」

何やってるんだろう?

私は何も悪いことはしてないはずなのに…。

そんなに世間体が大事なの?

私、倒れたんだよ?

「だいたい勉強だって倒れるほどやってないでしょうが!!それぐらいやってたら、嫌でも成績が上がるわよ!!1教科上がると、違う教科が下がる。いつもそう。何で全教科ちゃんとできないのよ!」

何度も殴られる。

殴られた箇所を必死に押さえるが、そのまま殴られ続ける。

ねぇ、私、頑張ってるよ。

ちゃんと勉強してるよ。

でもどうしてだろうね?

お兄ちゃんみたいにうまくいかない。

確かに1教科上がれば、他教科が下がることもあるよ。

でもいつもじゃない。

点数だけ見れば、下がってるけど、偏差値は上がってる時だってあるんだよ。

でもそれじゃダメなんだよね。

お母さんはいつも点数と判定しか見てないもんね。

そう思うとなぜか笑えてくる。

「何がおかしいのよ?あんた、私のことバカにしてんの?」

そう言ってベットのそばにあった目覚まし時計を私の顔に投げつけた。

間一髪、目は免れたものの、さっき叩かれた頬に激突した。

「ほんと、出来損ないよね。」

そうつぶやいて部屋から出ていた。