「ただいま。」

そう言っても誰からも返事は返って来ない。

虚しくなるだけなのに、私はいつも言ってしまう。

あんまり食欲ないし、今日はご飯は作らなくていいや。

そう思ってそのままお風呂に入った。

そうして少し休憩して勉強しようと準備していた時に、玄関が開いてお母さんが帰ってきた。

慌てて勉強道具を広げ、机に向かう。

出迎えもしないし、向こうもそれを望んでない。

部屋に入ってくるわけじゃないけど、もしものことを考えると、油断できない。

勉強してなかったら、何を言われるかわからない。

数学の問題が大問1つ解き終わった時だった。

いきなり部屋のドアが勢いよく開けられる。

「優美!あんた学校で倒れたんですって?先生から電話があったわ。まだ完全に回復していない状態で帰ったからって。勉強するのはいいですけど、少しは休むように気を配ってあげて下さいだって。あんたはいったい学校で何やってんのよ!」

パンッ!!

乾いた音が部屋に響き渡る。

咄嗟に頬を手で押さえた。