笑顔の裏側に

私は寝室を出て、リビングで待つ。

そろそろかなと思い、ノックすると、もうちょっとという声が聞こえて、ドアの前で待った。

するとドアが開いて、あろうことかスーツ姿の先生が出てくる。

「ちょっと何でスーツなんて着てるんですか?出しておいた服があったでしょう?」

「もう大丈夫だから今日は学校へ行く。」

そう言って、私の横を通り過ぎて、リビングへ向かっていく。

「何言ってるんですか。大丈夫な訳ないでしょう?今日も休んでください。幸い明日は土曜日で
す。今日病院に行って、2日ゆっくりすれば‥。」

「俺が大丈夫だって言ってるだ。お前だって学校だろ、早く自分の準備しろ。」

私の言葉は遮られ、バックを持って先生はもう出ようとする。

慌てて先生に手からバックを奪い取り、玄関へ回り込んで通せんぼするように玄関の前に立った。

「いい加減にしてください。お願いだから、自分の体を大事にしてください。」

「看病してくれてありがたいと思ってる。だけどバックを渡してそこをどけ。」

お互いに一歩も譲らない。

「先生がそんな態度なら、もういいです。」

これじゃ埒があかない。

それに時間がないのだ。

もう最終手段に出るしかない。

私は羽織ったパーカーのポケットから携帯を取り出す。

そうしてある人に電話をかけた。

「おい、何するつもりだ!」

大きな声を出している今でも、玄関の靴箱に体重を預けているのは体調が良くない証拠だ。

立っているのも辛いのだろう。