笑顔の裏側に

「何か食べれそうですか?」

「ごめん、食欲はないんだ‥。」

俯く先生はきっと朝から何も食べていないのだろう。

というか毎日ちゃんと食べていたのかすら怪しい。

私は立ち上がって、カバンの中から、買ってきたゼリー達を出す。

スプーンで食べるタイプのゼリーから、パウチに入っていてそのまま飲めるタイプのものまで様々だ。

「少しだけでもいいので、食べてください。そうしないと薬が飲めないので。」

渋々といった感じだったが、とりあえず飲むタイプのゼリーを手に取ってくれた。

全部は無理だったが、半分はお腹に入れたと思う。

これ以上無理に食べさせてもと思い、キャップに蓋をする。

薬を3錠出して、先生に渡す。

先生が口に入れたタイミングでコップも渡した。

「ありがとうな。ごめん、本当に何からに何まで。」

コップを受け取り、立ち上がる。

「気にしないでください。さあ、もう横になってください。」

布団をしっかりと掛け、新しい冷えピタも貼った。

私の動作をただ眺めている先生に、眠れなくても目を瞑るように促す。

「もう何もしなくていいから、ずっとここにいてくれる?」

私の手を握って、潤んだ瞳で訴えかけてくる。

「言われなくてもそのつもりですから大丈夫ですよ。」

そして先生の手を両手で包む。

それを見届けると今度はしっかり目を閉じてくれた。

その様子に安心する。

すると学校から帰ってから動きっぱなしだったせいか、次第に瞼が重くなって、私も頭だけをベットに預けて眠ってしまっていた。