笑顔の裏側に

「今日は家で休め。お前、倒れたんだぞ?自分の体のこと分かってんのか??塾なんかに行ける状況じゃないだろう?」

さっきの柔らかい声とは打って変わって、鋭い低い声が響く。

でもそんなの構わず、私は続ける。

「今日は大事な英語の講義なんです。だから行かなければ、みんなと差がついてしまいます。私は大丈夫ですよ。先ほどゆっくり休ませていただきましたから。」

早く行きたい気持ちを抑え、なるべく普通に話す。

そしてなるべく感謝していることをアピールするために、穏やかな口調で。

「英語なら俺がいくらだって教えてやる。だから今日は家でもゆっくり休め。」

そういうことじゃないんだよ。

本当、どんだけ私の干渉するわけ?

私は塾の講義で勉強したいの。

分からないところは講義後に先生を引き止めて聞くまでだ。

「そういう言葉は先生のことを好いてくれる生徒にかけてあげたらどうですか?私は間に合ってますから、お構いなく。失礼します。」

少しきつめに言い、最後は笑顔を向ける。