笑顔の裏側に

制服から私服に着替え、必要なものをバックに詰めた。

もちろん先生の家に泊まるためのものだ。

何日泊まるかは分からない。

今週は帰らないかもしれない。

そう思い、いつもより荷物が多くなったため、大きなカバンを倉庫から持ち出した。

そして体温計、冷えピタ、風邪薬なども入れる。

あとタオルも多めにと。

そうこうしているうちに大きなカバンでもパンパンだった。

一応必要最低限の勉強道具はスクバに入れて、大きなバックに入りきらないものもスクバに入れ
る。

そして最後に置き手紙を書く。

日曜日の夜には帰ることだけを伝えることにした。

それ以上は書けなかった。

書いている時に手が震えたけど、気にせずペンを握った。

いつもより乱雑な文字が並んでいたけれど、テーブルの上に置いて、気合いを入れるように頰を叩いた。

もう戻れない。

引き返せない。

きっと家に帰って来た時には、史上最大の闘いが私を待ち受けているだろう。

でも私は決めたから。

今度は私から寄り添おうと。

次は私が力になりたいと。

だから立ち止まらないし、振り返らない。