笑顔の裏側に

「先生?ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。以後、気をつけます。ありがとうございました。」

そう言ってベットから出て着替えるために教室に戻ろうと立ち上がる。

そして布団をきれいに整え、歩き出した。

その時だった。

「ちょっと待ってって!」

いきなり手首を掴まれる。

「触らないで!」

私は瞬時にその手を振り払う。

振り払った勢いでジャージの袖がめくれ、私の腕が露わになる。

「お前、それ…。どうしたんだよ?」

さすがの先生も動揺を隠せないようだ。

「ぶつけただけです。」

袖を直しながら、平然と答える。

「ぶつけたって…。ひどい痣じゃないか…。ぶつけたくらいじゃそこまでにならないだろう?」

面倒くさいなあと思い、しつこいとでも言うように私はあからさまにため息をつく。