「先生は私にあまり魅力を感じませんか?」

涙が落ち着いた頃、急に優美の口から飛び出した言葉に頭を撫でていた手が止まった。

「え??ちょっと待って。それはどういう…」

なんと言えばいいかわからないまま、曖昧に問いかければ、

「私だって男の人と1つのベットで寝るってなった時、もしかしたらってそれなりの覚悟はしました。だけど、先生はキスだけしてそのまま私を置いていこうとするし。私ってそんなに魅力ないですか?」

その言葉にぽかんとしてしまう。

じゃあお前は全部分かってたってこと?

それで一緒に寝ることに決めたのか?

なんだよ…。

全ては俺の思い違いってことかよ。

「そんなことはないよ。」

「ならどうして…

最後まで言わせないというように俺は優美の唇を塞いだ。

唇を離せば、驚いているような戸惑っているような瞳が俺を見ている。
「大切だから。ゆっくりでいい。優美の心の準備ができるまで待ってるつもり。だから焦るな。な?」

そっと頭を撫でてやれば、俺の胸に頭を押し付けてくる。

「ありがとう…。」

小さく呟いた声は俺の耳にしっかり届いた。

そっと抱き締めたまま、しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてくる。

「優美?」

声をかけても返答なし。

嘘だろ!?

このまま寝ちゃったわけ?

俺はどうすればいいんだよ…。

一晩中、俺は理性と闘う羽目になった。