笑顔の裏側に

「俺は優美が心から笑ってくれればそれでいい。それができるのは俺じゃない。先生じゃないとダメなんだ。だから優美を頼みます。」

そう言ってもう一度頭を下げる神谷を見て、俺も決心する。

「やれるだけのことはやってみる。こんなことをお前に頼むのは間違ってるかもしれない。だけど俺は教師であいつは生徒だ。いつでもそばにいられるわけじゃない。その時はお前が今まで通り優美を見守ってくれ。」

「言われなくても最初からそのつもりです。」

いつもの明るい神谷に戻ってホッと胸をなでおろす。

優美ともう一度話そう。

俺の気持ちをちゃんと伝えるんだ。

優美の気持ちもしっかりと受け止めよう。