笑顔の裏側に

いくら考えても答えなんて出なくて。

とりあえず話そうと優美にメールを送った。

家に帰ってもただ優美のことばかり考える。

体調は大丈夫か、泣いてないか、すごく心配だ。

キッチンの片付けをしていると、携帯の着信音が鳴った。

慌てて手を拭き、携帯を開く。

すると優美からメールがきていた。

ゴクリと唾を飲み込む。

意を決してメールを開いた。

するとそこに書いてあったのは、予想外の言葉だった。

″ごめんなさい″

たった一言のそれだけ。

何に対する謝罪なんだろうか。

俺の手を振り払ったことか？

そのまま逃げるように帰ったことか？

それとも…

俺とは話したくないってことなのか。

分からない。

優美の気持ちが掴めない。

結局俺は返信も出来ずに次の日を迎えることとなった。

何とか優美と話そうとするが、他の生徒の指導もあり、なかなか声がかけられない。

時間ができたと思えば、もうすでに優美は俺の前から姿を消していた。

まるで俺を避けているように。

そうは思いたくないけれど、授業中に一度も交わらない視線や終礼が終わるとさっさと教室を出て行く様子を見ると、さすがの俺でも少しめげる。

どうしようか。

そう思いながらも行動できずにいるとあの日から1週間が経とうとしていた。