いきなり先生に強く抱きしめられて、驚きのあまり言葉が詰まる。

「お前は寂しくなかったのか?こうしたいと思ってたのは俺だけだった?」

その言葉にドクンと胸が跳ねた。

私だって先生に触れたかった。

優しく抱きしめてほしかった。

その気持ちを言う前に先生は私を離して真剣な眼差しで私を見据えて再び告げる。

「メールも電話もいくら待っても一向に来ない。学校でも必要最低限の会話だけ。お前はそれで平気なの?」

鋭いところを突いていて何も言い返せなかった。

だって全て事実だから。

メールを返せなかったのも。

電話しなかったのも。

全部、全部私がしたことで。

「申し訳ありませんでした。でも…。私だって寂しかったです。ずっと抱きしめてほしかっ…」

私が言い終わる前に今度は優しくふわっとしたぬくもりに包まれた。

全てはこうするためだったんだ。

私が不安にならないように。

先生なりに考えてくれたことだった。

「愛してる、優美。」

「私も…」

そうして私たちは時間が許す限り、お互いへの想いを確かめ合った。