笑顔の裏側に

そうして今まで通り何も変わらず、面談の日がやってきた。

一人一人と面談するから、教室でやるらしい。

だから教室では勉強できないので、図書室に行く。

自習室もあるけれど、受験生以外の生徒も使うため、うるさい。

それと比べて図書室は、利用者が少なく、穴場だ。

いつも通り数学の問題集を開く。

ただひたすらノートにたくさんの数式を並べて計算していく。

1章分終わって時計を見ると、17時過ぎを指していた。

もうすぐだと思い、片付けて、教室に向かう。

まだ前の人がやっている様子がカーテンの隙間からうかがえる。

私は単語帳を広げた。

付箋の張ってあるところから順番に復習していく。

しかし全然頭に入ってこない。

久しぶりに先生と話すせいか、少し緊張する。

ずっと単語帳をただ眺めているだけで終わった。

ドアがガラッと開き、顔を上げると、松本君が出てきた。