笑顔の裏側に

次の日の朝。

私は予定表の前でたたずむこととなる。

予想どおり、昼休みと放課後の前半は全て埋まっているのだが、後半は不思議なことに、1人分空いている曜日がある。

木曜日の17:30だ。

その下の18:00の欄には、木下さんの名前が書かれている。

木下沙由莉。

先生に群がる女子の1人だ。

何だか胸がモヤモヤする。

それはきっと木下さんの真意がわかってしまったからだろう。

その日の一番最後に入れることが先生と話したいという気持ちをよく表している。

一番最後ということは後の人のことを考えなくていい。

それは好きなだけ話せることを意味していて。

そして18:00は自習する人の以外は下校することが原則だ。

だから誰かの邪魔が入ることは少ない。

もう一度予定表を眺めて、空いている時間を確認する。