次の日の朝、俺はあいつのところへ向かっていた。

誰よりも大切で俺にとってかけがえのない存在だった要のもとへ…。

車に乗って、途中で花屋に寄り、しばらく車を走らせる。

静かでのどかな雰囲気の道を通り過ぎるともうすぐだ。

そうして墓地に着き、道具を借りて、要の眠る場所に向かう。

お墓の掃除をして花を供え、線香を上げる。

要に向かってゆっくりと手を合わせ、目を瞑った。

要?元気にしてるか?

久しぶりだな。

ずっと忙しくて来れなかったんだ。

ごめんな。

今年は俺、受験生を受け持つって言っただろ?

しかも特別選抜クラス。

俺な。見つけたよ。

お前と同じように苦しんでいる生徒を。

麻生優美って言うんだ。

始業式の前に一度来た時、話しただろ?

たくさんの先生からの名前が上がってる生徒がいるって。

本当に何でもサラッと完璧にこなす生徒だった。