「嫌いになんてなるわけないだろ?俺はどんなお前でも受け止める。好きだよ。平気なふりして強がってるお前も。本当は泣き虫で優しいお前も。全部好きだ。」

「先生…。」

麻生は俺の言葉を聞きながら、ずっと涙を流していた。

なあ、麻生?

俺の気持ち、ちゃんと伝わってる?

お前に届いてるか?

俺はお前に同情して優しくしたわけじゃない。

そばにいたんじゃない。

俺がお前のそばにいたかったんだ。

苦しみから救ってやりたかったんだ。

お前の心からの笑顔が見たかった。

俺はお前が好きだから…。

誰よりも愛してるから…。

「お前の気持ち、ちゃんと聞かせて?」

そう言うと麻生は呼吸を整えて言った。

「私も先生のこと…、好きです。大好き…。」

そう言って俺に胸に抱きついてくる。

大好きとか嬉しすぎる。

顔を真っ赤にして恥ずかしそうに言った麻生が可愛くてたまらない。

頭を撫でると麻生が急に顔を上げた。

「離れていかない?ずっとそばにいてくれる?」

うるうるとした瞳で俺を見上げて、小さな声で尋ねてくる。

やばい。可愛すぎんだろ。

すべてが愛おしい。

俺は麻生の言葉と同時に強く抱きしめる。

「当たり前だろ?俺はずっとお前のそばにいる。お前がやだって言っても離してやらないからな。愛してるよ、優美…。」

すると麻生は俺のことをギュッと抱きしめ返してくれた。

初めてだな。

こうしてお前が答えてくれるのは。

肩を震わせながら、静かに麻生は泣いていた。

その涙は悲しい涙じゃないよな?

そう願いながら俺はそっと麻生の背中を撫でた。