「どしたの?音々ちゃん 病んでるのかい?」

「病んでます」

「え と 何があったの?」

ここは広い大学内の一番端にある弓道部室内

いつも笑顔で話しかけてくる音々ちゃんが机に突っ伏している
時々は疲れていたりとこういうこともあるのだけど
僕が戸惑った理由はいつもみたいに返してくれなかったから
不安になったとでもいうのだろうか
いつもなら

「何言ってるんですか?
 病むわけないじゃないですかぁー
 元気ですよっ」

なんて笑って返してくるのに
「病んでる」と返してきた
正直どうすればいいのかわからない
「何があったの」と言ってからしばらく経ったが答えが返ってきそうにはない
何も言わない音々ちゃんと
何を言えばいいのかわからない僕
しばらく沈黙が続いてしまった

このままじゃいけないよなともう一度声をかける

「言えないなら言わなくてもいいけどちゃんと 頼るんだよ?」

とだけ伝えて立ったままだった僕は近くにあった椅子に座った